アナログとデジタルの違い。

アナログとデジタルの違いは、画像記録データの形式の違いによるものである。アナログカメラはアナログ情報を出力し、デジタルカメラはデジタルデータを出力する。 一般的な手持ちカメラで話をすると、アナログカメラまたはフィルムカメラとするはデジタルカメラが一般的に普及するまで多くの人が使っていたが今では昔からフィルム一眼レフカメラを使い続けている人以外、アナログカメラを使っているという人はなかなか多くはない。 アナログカメラは一枚一枚のコストが非常に高い。その値段は一枚あたり約30円になる。コストが高いため一枚一枚の集中力が自然と高まる。今ではほとんど生産されてないため好みの製品での新品入手困難であり、また現像するまで結果がわからない。感度を変えるのにテクニックが必要であり、素人で満足に扱うのは大変である。 それに対してデジタルカメラは、必要な道具を一通り揃えればほとんどコストがかからなく、また撮影直後すぐに確認でき、いらないデータはすぐに削除できる、感度を簡単に変えられるという利点がある。難点という難点はないが、強いて言うならば無駄にシャッターを切りがちになってしまうこと、フィルムカメラのような集中力がなかなか味わえないこと、だろうか。 少し前までは、画素の面ではデジタルカメラはアナログカメラにはかなわないといわれてきたが、超高画素化が進んだ現在は両者の間に差はない。コストや利便性を第一に考えるなら画質の違いは両者の間にないわけだからデジタルカメラを選択するのは当たり前のことである。 防犯カメラで考えてみるとする。 アナログ防犯カメラは、CCTVカメラとも呼ばれる。CCTVというのは、Closed Circuit Television(閉回路テレビ)の略で、テレビ用の同軸ケーブルを経由してテレビモニタに接続して、撮影した映像を見ることができるカメラである。撮影された情報は電子データとして利用されるから、アナログ式スチールカメラとは違い、光学用フィルムのような記録媒体は使わない。アナログカメラで撮影した映像は、VHSビデオテープやハードディスクに記録することができる。 最近ではネットワークカメラやHD-SDIカメラの台頭により、防犯カメラを導入したいが非常に少ない予算しか用意できない場合や、おおまかな全体監視ができれば十分である場合、または多くのカメラ台数を設置して監視したい場合、あるいは限られた範囲の監視のみで十分な場合というシュチエーションでしか活躍の場は無くなってきているのが現実である。 撮影状況と選定する機種によっては十分に綺麗な映像を確保でき、そもそも防犯カメラの用途は全体像の監視というケースが多いため、実際にはまだまだアナログカメラを活用する場面は多いが、時代の流れまたは業界の流れとして過去の商品と扱われる風潮となっている。 アナログカメラのメリットとしては、①インフラに依存しないため、映像の途切れがないこと、②夜間映像・逆光補正に強いこと、③標準的なケーブルを使用してカメラをフレームグラバに接続すること。④デジタルカメラに比べて低コストだということ、⑤標準の解像度640×480、30フレーム/秒は多くのアプリケーションに対して十分な仕様であること、⑥取扱いが容易であること、があげられる。 またデメリットとしては、①カメラの画質があまりよくないこと、②同軸ケーブルの引き回しや、電源工事が必要だということ、③データ出力がDVRに依存するので、映像が劣化する場合があること、④データ転送が遅いこと、があげられる。 デジタル式防犯カメラは、ウェブカメラまたはIP(インターネットプロトコル)カメラまたはネットワークカメラと呼ばれている。撮影した映像は2進数のデジタルデータに変換され、磁気的または電子的に保存される。DVDやSDカードなどの記録媒体に記録できる。 そのメリットとしては、①PoE対応機種ならLAN配線の引き回しや電源工事が必要ないため比較的工事費がかからないこと、②映像のデータ転送速度が早いこと、③録画不要でライブ閲覧のみなら録画機器は不要だということがあげられる。 またデメリットは①インフラに依存する為、録画が出来ていない場合があること、②通信状況によっては、映像が途切れる場合があるということがあげられる。 お互いにいい面、悪い面があるがやはり総合的に見るとデジタル式のほうが効率はいいだろう。そのため防犯カメラ業界ではアナログカメラは古いものとして扱われている。ただ先ほども述べたように、非常に少ない予算しか用意できない場合や、おおまかな全体監視でいい場合、多くのカメラ台数を設置したい場合、限られた範囲の監視のみでいい場合など、需要は0ではない。 手持ちカメラがデジタル化した当初は、性能は銀塩カメラより劣った。主に電子技術の急速な発達によって解像度や感度が銀塩カメラに追いつくほど技術開発が進み、銀塩カメラを広範囲に置き換えた。そして、単に静止画を撮影する基本機能の充実だけでなく、デジタル式にしかできない付加的な機能を付け加える方向へ技術開発がされている。デジタル式ズーム、手ぶれ補正、動画補正、衛星測位、顔認識、無線接続などはデジタル化により実現した機能であり、アナログカメラでは考えられなかったことである。またそれらの機能はカメラをより人々に楽しませる要因にもなっている。現在の多くの人々はカメラをひとつの日常的な娯楽として楽しんでいて一つの文化を形成している。